- 2017年3月27日
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革羽織―角字―
鹿革に様々な装飾を施す甲州印傳の技法には「燻」「更紗」「漆付け」があります。革羽織に文字意匠を施す技法には「燻」が多く用いられています。
革羽織はもともと上層武士の洒落着でしたが、明暦の大火(1657年)以後は鹿革の特徴の一つである難燃性による防火の効果が認められ、火事装束として武士ばかりでなく、町火消の頭(かしら)などにも着用されるようになりました。
江戸中期以降には一般の町人にも普及し、冬の防寒着として、また、粋や勇み肌を誇示する伊達着としてももてはやされました。
町人の革羽織には意匠化された文字が積極的に採用されています。背や襟には力強い独特の形態の「力文字」により家名、屋号が表され、山形、丸、四角などの組み合わせにより商標としても表現されています。裾廻りには篆書体から派生したといわれる「角字」により屋号などが表されています。角字は漢字を極度に意匠化することにより模様としての視覚的効果を高め、当時の人々の遊び心や洒脱さがうかがえます。
平成28年9月17日~12月4日(この展示は終了しています。)