開館15周年記念展―印傳の更紗―

開館15周年記念展―印傳の更紗―

鹿革に模様を付ける印傳の技法には「燻」「漆付け」「更紗」があり、華やかな色彩で模様を表現するのが更紗技法です。「更紗」は近世初めにインド・ジャワ・タイ・ペルシャ等からもたらされた模様染めの総称です。異国的な模様や色使いが珍重され、国内の染織にも影響を与え、江戸後期の「和更紗」をはじめ、日本的な趣向や手法が取り入れられました。

印傳の更紗は型紙を用いて鹿革を鮮やかな色合いに染める独特な技法です。単色と多色があり、多色の更紗は一色毎に型紙を替えていきます。地色に染め、裁断された革の高低差を整え、革と型紙のずれを防ぎながら力の加減を調節して色を重ねます。地色となる革は白革の他、燻べた革も用いられ、最後に漆付けを併用する例も多く見られます。革と模様の色の組合せによって色彩は多様化します。

平成26年9月20日~11月30日(この展示は終了しています。)