- 2017年5月19日
- CATEGORY : MUSEUM VOICE
甲府買物独案内 その1
江戸から明治時代に利用されていた『甲府買物独案内』。
今で言うガイドブックのような冊子です。
この博物館の場所(現・中央三丁目)はかつて八日町と呼ばれていました。
当時、八日町は城下町の入口とされ、商店が立ち並ぶ賑わいのある場所だったことが書物に記され残っています。
甲府勤番士 野田成方は在任していた享保九年~宝暦三年までの30年間に見聞きした甲斐の国の様子を『裏見寒話』としてまとめました。
それによると…
八日町
此町へ入れば真向に八日町見付見ゆ 甲府㐧一の繁花也 呉服屋多し又御制札あり われ俗御判形と云
(『裏見寒話 四』山梨デジタルアーカイブより)
とあります。御制札とは政令や布告などが書かれた札板を立てかけたもので、高札場として町の交差点に置かれていました。
お知らせや広報活動が電波で飛び交う今。
城下町が成熟していたかつての街並みを夢見て、高札場を復元させたい思いが募るのは博物館スタッフだけでしょうか…?