提物 早道(はやみち)

日本では着物に帯という服装の文化が腰に袋物や小物を提げて持ち歩く提物の発達に大きく影響しました。

早道(はやみち)は旅行用の銭入です。街道沿いの博物館や資料館でも良く見かけます。
盗まれないように腰帯(こしおび)にさし、さらに紐でくくって携行しました。
上部が円筒形になっている形状では筒の部分に一分銀(いちぶぎん)や豆板銀(まめいたぎん)、下部の袋に小銭や薬などを入れました。

当館では燻技法や表面を漆でベタ塗りした漆塗技法による資料が多く収蔵されています。
漆を塗ることで雨や湿気から内容物を保護していたと考えられます。
漆塗技法による印傳は表面の様子から「松皮印傳(まつかわいんでん)」「地割印傳(じわれいんでん)」とも呼ばれました。

早道

漆塗早道
(うるしぬりはやみち)

新川銭入(しんかわぜにいれ)
明治になると、小銭を側面の口から出し入れする新川銭入が流行りました。その後、蟇口(がまぐち)を取り付けた新川蟇口(しんかわがまぐち)が作られました。

菖蒲藍染新川蟇口
(しょうぶあいぞめしんかわがまぐち)